69f62aa7c9bf59f10697d30cfd18666f.jpg

家元会員 Mikimoto様

大学の文芸学科で学んだこと。

位置のこと


CIMG2391

梨木香歩さんの作品は、植物の登場が多い。

そういうところに、この作者の位置があるように感じます。

作家の癖というか、人間の普通のことですが、

自分が執着しているもの、着目しているものは

自然と文章にも登場するのだと思います。

本を読む楽しさは、自分とは違う位置に立てることです。

気にかけなかったことを気にかける位置に立つ…というか。

本の楽しみはそれだけでは無いですが、これは確実に

万人に「楽しい」と感じさせる部分ではないでしょうか。

知らないことを知ること は楽しいからです。

 

また、知っているつもりのことをもっと知る のも楽しいと思います。

自分自身も植物 特に野に咲く雑草のような植物に多く触れあい

関心があるので、梨木さんの作品は共感したり、そういう見方もあるのかと

改めて植物と向き合うような瞬間があったりして楽しいです。

 

作家によって位置はまちまちで

 猫 だったり、体や香りや季節や食べ物や…だったりします。

それらは、作品のテーマとは関係ないのですが、

たとえば、それを他の物と置き換えてもテーマは揺らがない のですが

作品や作家を肉づけるのに非常に貢献していると言えそうです。

読書をするとき、テーマが何か考察をすすめるよりも 

単純に 何か面白いことが描いてないかな

と思ってページをめくっている。

そんな目の前に飛び込んでくる新鮮な視点…

誰かにとっては当たり前の日常の視点…が心地よいと

「また違う作品も読んでみよう」と思わせてくれます。

全然違うテーマのジャンルの作品だとしても、

同じ位置に立てる(連れて行ってもらえる)からです。

梨木さんの場合は植物だと思います。

 

1

西さんのサラバ!


CIMG1594

西さんの作品はずっと好きでほぼ全作読んできました。

芥川賞を獲るのかな、と思っていましたが

直木賞を受賞されたんですね。

それも随分前になってしまいましたが。

この作品は、どういうわけか、なかなか読み進められず、

まだ上巻の途中です。

 

そもそも読む、というのは字を追えばよいので

スピードは、どの本でも文章でも変わらないはずです。

それなのに、読み進められない と感じる現象が

文芸作品には多々起こるのが不思議です。

きっと、読むという行為が作業ではなくて

仕事になっているからだと思います。

仕事、というのは、読んで考えている状態です。

ただ内容を理解するのではなくて、

読んで、考えて、掘り下げたり自分に置き換えたり

なんたり…そうこうするので、じわっじわっと

ちょっとずつしか読み進められなくなるのでしょう。

 

もしくは、つまらない か。

読んでもつまらないから、読む気がしない。

 

それもまた、作業として文字を追っているのではなくて

仕事として文章を探っている証拠だとは思います。

 

さて、この作品はどちらでしょうか。

西さんの作品は、面白くて一気に読めてしまうのが常

でしたので、調子が狂った感じがしますが、

受賞作なだけの凄みが読後にやってくるのかもしれません。

今のところ、面白いと思えていないのですが、

夏に向けて再挑戦中です。

 

 

3

想像力と型


五・七・五 とか
自由詩 とか
俳句や短歌、詩には「型」
があります。

小説を書くのが難しい人は、
多分、「型」が分からないからだと思います。
小説の「型」は
起承転結 だと言われますが、
書いていると、思っているほど読者には
起承転結になっていないことが多いです。

なので、練習で、計画的に書くといいかもしれません。
起承転結、それぞれ何ページずつ書く、とか
それだけで良いと思います。

書くだけ書いて、あとから、起承転結にまとめる方法も
あるかもしれません。自分で読み直して
削っていくやり方です。

「型」が決まっていると何がいいか。
自分の想像力を思う存分発揮できることでしょう。

例えば
五・七・五で、まず五文字で言いたいことを
言うには、どんな言葉がいいか、頭がフル回転に
なります。この頭の回転が面白いのです。

なので、言いたいことを決めてから
考えるほうが、想像力が発揮されると思います。
(それぞれやり方はあるでしょうが…)

詩も、意味が分からない詩より
言いたいことがある詩の方が、読めます。
言いたいことの表現が抜群に素敵な詩が
私は良作だと思います。

小説もそうです。

文芸の基本の「型」は
「何が言いたいか決まっている」
ことではないでしょうか。

その型に沿って、想像力を働かせるのが
書くにしても読むにしても
面白いのだと思うのです。

鎖でつながれた犬の方が
野放しの犬よりも自由に思い切り行動できる。
そういうのと似ていて、
想像力も、型があると自由自在に広がるのだと
感じます。

140415_0904

140415_0904

自由にも縄張りがあるのだ。

3

会員様のみ、続きを閲覧いただけます。

Mikimoto
 ユーザー名:Mikimoto
 ラ ン ク:家元会員
 カテゴリ :文芸
 趣味・特技:アクセサリー作り・お料理
 地  域 :東京都
 登録日  :2016-06-29
 最終ログイン :2017-11-14

広げよう、家元の輪!
イイネ!